「どうして日本取引所グループ(8697)に投資をするの?明確な理由があるならわかりやすく教えてほしい。」
この記事ではこういった疑問にお答えします。
結論としては、、
- 成長力が上場企業の平均以下にはならない
- 株主優待の利回りを加味することで高配当株になる
- 戦略の余地が残されている
以上の理由から日本取引所グループに投資をしています。
上場している株ってたくさんあるから、どの企業に投資をすればいいのか迷いますよね。そういったときは銘柄選定の判断基準を持っておくと便利です!
私の戦略では高配当株投資で長期保有に適した銘柄を選んでいくので、この基準に適した株の価格が下がってきたら買うという手法を採用しています。
今回は「日本取引所グループ」への新規投資と選定した理由を説明していくので、購入を迷っている人は参考にしてみてください。
りみせ
それではまず日本取引所グループの株価情報から見ていきましょう。
- 日本取引所グループの株価情報
- 日本取引所グループに投資する理由
タップできる目次
日本取引所グループ(8697)とは?
日本取引所(にっぽんとりひきじょ)グループは、東京証券取引所、大阪取引所、東京商品取引所などを運営する金融取引所グループです。
英語表記ではJapan Exchange Groupとなるので「JPX」という略称で呼ばれたりもします。
セクター
セクターは「その他金融業」です。
銀行、保険、消費者金融が含まれる金融セクターだけど、日本取引所グループはちょっと特殊な性格を持っています。
業界売上高シェア
日本取引所グループは他社の参入を許さない究極の独占企業です。日本でもっとも倒産する可能性が低い企業と言っても過言ではありません。
証券取引所の分野ではニューヨーク証券取引所が首位、2位にNASDAQ、そして3位に日本取引所グループです。アメリカ以外では最大の規模を誇る証券取引所となっています。
日本取引所グループの配当実績
続いて配当実績を見ていきましょう。
判断基準となるのは次の3つです。
- 過去5年間の配当推移
- 配当利回り
- 配当性向
過去5年間の配当推移
過去5年間の配当推移はこのようになっています。
ご覧の通り累進配当ではないので業績に応じて減配もあります。ですが、先述した通り日本でもっとも倒産する可能性が低い企業ですから、長期保有に適していると言えるでしょう。
配当利回り
配当利回りとは「株価に対する配当金の割合」のことです。
2022年3月の配当利回りは「3.15%」でした。
配当性向
配当性向は「当期純利益から配当金の支払いに充てた割合」のことです。
2022年3月の配当性向は「76.3%」でした。配当性向は30%~40%が平均と言われているので、この数値を見ると高いと感じるかもしれません。ですが、株主還元方針を見るとその理由が明記してあります。
株主還元方針
当社では、株主の皆様への利益還元を重要な経営課題と認識しており、2015年度以降、配当性向を60%程度とすることを目標としています(2014年度以前は40%程度)。
記念配当や特別配当が出たときの配当性向は70%を超えているけど、2015年以降は株主還元方針の通り60%程度になっています。
続いては日本取引所グループの株式指標を見ていきましょう。
日本取引所グループの株式指標
私が参考にしている株式指標は2つ。
- EPS
- PER
それぞれ理由を説明します。
まずはEPSについて。
EPS
EPS(Earnings Per Share)は企業の業績を把握する指標です。
EPSも配当実績と同様に過去5年間の推移を見ます。
こちらは日本取引所グループが主な財務指標として公開しているものです。グラフを見ると成長性は微妙だけど安定した収益力があると判断ができます。
次はPERを見ていきましょう。
PER
PER(Price Earnings Ratio)は企業の株価の割安性を把握する指標です。
一般的に15倍程度が適正であると言われていて、10倍以下なら割安、20倍以上なら割高と判断ができます。
2023年3月現在のPERは「23.8倍」と割高じゃないかという声が聞こえてきそうですが、投資するのには明確な理由があります。それは日本取引所グループのPERは20倍を下回ることがなく、株価も滅多に安くはならないからです。
そこで私は株価の推移(チャート)で判断しています。
日本取引所グループの株価推移
ここでは3つのチャートを見ていきます。
- 長期チャート
- 中期チャート
- 短期チャート
それでは長期チャートからです。
長期チャート
2016年7月8日につけた1,155円と2019年8月9日につけた1,567円を結ぶとサポートラインができます。ここを割り込んできたときは割安であると言えるでしょう。
中期チャートでもう少し詳しく見ていきます。
中期チャート
長期チャートのサポートラインは中期チャートでも作ることができます。2020年3月13日につけた1,685円と2022年5月13日につけた1,885円を結んだサポートラインです。
中期チャートのサポートラインの方が長期チャートよりも水平に近い形になるので、買い増しする株価はより割安になります。
最後に短期チャートを見てみましょう。
短期チャート
短期チャートではレジスタンスラインとサポートラインが引けます。
レジスタンスラインは2022年3月29日につけた2,429円と8月17日につけた2,223円を結んだ線、サポートラインは2022年5月19日につけた1,890円と10月13日につけた1,897円を結んだ線です。
2023年3月にはレジスタンスラインを突き抜けてサポートラインとして機能しているように見えます。つまり株価は2,000円くらいまでなら買い増してもいいタイミングであると判断しているのです。
再びサポートラインを割り込んだときは買い継続、サポートラインに支えられるようなら様子見となります。
続いて業績推移を見ていきましょう。
日本取引所グループの業績推移
日本取引所グループが「収益・費用の推移」で公表しているデータです。
営業収益
※(単位:百万円)
グラフを見ると安定した収益を上げていることがわかります。では、営業利益はどうでしょうか?
営業利益
以下のグラフは営業利益、当期純利益、経常利益、営業利益率の推移となっています。
2021年や2022年と比べて2023年は利益が少なくなりそうです。2020年以前の利益と比較しても、過去5年でもっとも低くなるのは気になります。
2024年以降もどうなるのかわかりませんが、日本取引所グループは先述した通り日本でもっとも倒産する可能性が低い企業です。とはいえ、ほかの株式会社と同じように株価が下がるリスクもあります。
今後の業績は?
日本取引所グループの成長力というのは上場企業の平均までしかありません。何故なら上場企業3,864社全体の業績に依存しているからです。つまり、日本でもっとも多くの企業に分散してしまっている企業と言えます。
個人投資家であれば今後も利益成長が見込める企業だけに厳選した投資が可能ですが、日本取引所グループはそれができないということです。この件について詳しく解説している動画があるので紹介しておきます。
この動画では日本取引所グループの戦略として、魅力のない企業(配当を出さない・利益も増えない=投資家が損をすることが確定している企業)をいかに上場廃止にするかが重要であると言っています。何故なら成長の期待ができない銘柄を排除できれば市場全体の成長力が上がり、日本取引所グループの成長もそれに伴って上昇するからです。
市場を健全にすることで今後の将来有望な精鋭企業ばかりになります。そうすると上場企業の平均も上昇するので株価も上がるということです。日本取引所グループにはまだ戦略の余地が残されているので、私は成長力が平均以下にはならないのであれば長期保有してもいいと判断しています。
また、株主優待の利回りを加味することで高配当株になることも魅力に感じています。
日本取引所グループの株主優待
日本取引所グループの株主優待権利確定日は3月末日となり、100株以上の保有で株主優待がもらえます。株主優待の内容はクオカード(QUOカード)です。
株主優待制度の内容はクオカード
- 1年未満:1,000円分
- 1年以上2年未満:2,000円分
- 2年以上3年未満:3,000円分
- 3年以上:4,000円分
これを見て「100株保有して1,000円分のクオカードしかもらえないの?」と私は思いました。ですが、利回りを考えると満足できる内容になっています。
株主優待による利回り
2023年3月現在の株価2,033円で優待利回りを計算します。
- 1年未満:1,000円分 → 0.49%
- 1年以上2年未満:2,000円分 → 0.98%
- 2年以上3年未満:3,000円分 → 1.47%
- 3年以上:4,000円分 → 1.96%
この利回りに2022年3月の配当利回り「3.15%」を合計するとこのようになります。
- 1年未満:1,000円分 → 3.64%
- 1年以上2年未満:2,000円分 → 4.13%
- 2年以上3年未満:3,000円分 → 4.62%
- 3年以上:4,000円分 → 5.11%
どうでしょうか。これで高配当株になりますよね。100株保有するだけでもかなり違うので株価が割安になっているときに買い増ししていきます。
りみせ